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『Bouguereau』

Bouguereau

久しぶりに画集を購入。19世紀フランスアカデミズムの超絶技巧画家たるブーグローです。

ブーグローのどこらへんに惹かれるのか。ひとつはどこか翳りのある表情、でしょうか。結構子供の絵なんかも描いているのですけど、大体なにかを抱えている表情をしている。モデルが緊張してたんじゃね?というのはこの際なしの方向で。屈託ない笑顔もあるにはあるものの、逆にそういう絵はあまり面白くないように感じます。

もうひとつはきめ細やかな肌の質感と・・・肉感(笑)。 絵画として理想化されながらも、妙ななまめかしさがあるのですね。特にお腹のぽっこり具合をこれほど絶妙に描ききった画家を、私は他に知りません。うむ。

印刷の質はとても良いと思います。その分、WEB画像で見ていた分には気にならなかったちょっとした不自然さみたいなものが気になったりもしましたが。モデルにポーズを取らせて架空の場面を描き出すという手法は、描写に一切妥協がないだけにどうしても不自然な部分も出て来るのでしょう。とは言えこれだけの画家、知ってる人は知っている的ポジションに追いやられているのはちょっと残念な気もします。