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『ジョン・ボールの夢』

ジョン・ボールの夢 (ウィリアム・モリス・コレクション)

語り手である「私」が14世紀イギリスは「ワット・タイラーの乱」渦中の村にタイムスリップし、指導者のジョン・ボールと対話するというお話。

モリスの社会主義思想がモロに反映されていますが、思想的側面に関心がなくとも(私はそう)、普通に歴史小説として楽しめます。本当に見てきたかのような、しつこい位に細かい描写には恐れ入るばかりで、その綿密な事といったら彼の描く装飾文様さながらです。まあこの辺は彼の魅力のひとつである反面、とっつきにくさにも繋がっている気がしないでもありません。装飾文様を形づくる線一本一本を目で追うようなしんどさ、とでも言いましょうか(^^;

当時の社会制度や弓を主体とした戦術に関するものなど、注釈が大変充実しています。

『ジョン・ボールの夢』
ウィリアム・モリス著/横山千晶訳
晶文社