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『One Hundred Aspects of the Moon: Japanese Woodblock Prints by Yoshitoshi』

One Hundred Aspects of the Moon: Japanese Woodblock Prints by Yoshitoshi

最近興味を持っている画家に、月岡芳年(大蘇芳年)がいます。彼の絵を初めて見たのは「血まみれ芳年」のイメージで真っ赤っ赤な絵が紹介されていたもので「うわ、勘弁」という感じだったのですけど、実は物語や歴史・伝説上の人物の一場面を描いたものが数多くあり、これが大層面白い。大胆な構図やそれまでの浮世絵の文法をぶっ壊すようなリアルなポーズなどなど、中でも画面を目一杯に使うやり方や手前の人物に関連づけた遠景の処理などはどこかウォルター・クレインあたりを思わせるところもあって、ひょっとしたらどこかで繋がりが・・・などと妄想してみたりするのでした。

本書の原題は『月百姿』。月に絡めた100に及ぶ作品群です。全部が全部空に浮かぶお月様という訳ではなくて兜の三日月形の前立なんかも混じっているあたり、センスを感じます。この画集については先に述べたクレインっぽい感じとは少々趣が異なり、よりシンプルな構図の妙が楽しめます。

もっと色々な作品を見てみたいなあ、と探してみて見つけたのがこちらのサイト。個人的に制作されたサイトのようですが、月岡芳年に限らず驚くばかりの充実っぷりです。なお、該当ページに直接リンクを張らせていただきました。

2009/06/10追記

奇しくも太田記念美術館にて、6/26まで『 芳年-「風俗三十二相」と「月百姿」-』なる展示が行われているようです。スケジュール的に微妙だけど・・・これは観たい! 

2009/06/24追記

観て来ました!やはり現物を観るとまた違った印象を受けますね。あんなに細かいとは思ってなかったなあ。いや凄い。