2009/08/28 Friday
2009/08/28 Friday
「巴と義仲」をアップしました。『平家物語』の「木曽の最期」を題材としたものです。出来れば連作にしたいと考えています。予定では4枚。とはいえ後半2枚が構図的にしっくり来ていないのでどうなることか。
目的の無い、全くの個人的な作品は気が付いてみれば随分久しぶりになってしまいました。「木曽の最期」は平家物語の中でもとりわけ心を打つ一章です。以前描いた「祇王」もそうですが、平家物語は本筋からやや外れるエピソードに印象的なものが多い気がします。木曽の最期は本筋っちゃあ本筋なのかもしれませんが・・・でも映画やドラマでは大抵アレンジされてますしね。
こういった絵に対して時折いただくご指摘に「こんなに綺麗なのはおかしい」的なものがあります。確かに、敵陣をかいくぐり主従5騎にまで打ちのめされているのです。傷を負い、返り血を浴び、甲冑の威糸はそこここがちぎれ、矢だって何本も引っかかっているかもしれません。髪なんかもうぐちゃぐちゃでしょう。ただそういう描写をリアルにやったとして・・・お仕事で描けと言われたなら頑張ってはみますが、あんまりそういうの好きじゃないんです。そういう場面を描くのでも絵として昇華されている、というのが私の目指したいところです。バックとなる景色だったり塗り方だったりについても当初色々検討したのですが、結局全部省略しました。それもこうした考えから試みたことです。もっとも、描写のリアリティに拠らないのであれば、何か他の部分で絵としての説得力を持たせる必要があるわけで、そこがまあ一番難しかったりするんですけどね。