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新旧『冬のライオン』

ようやくオリジナルを観ましたので、以前観たリメイク版と併せて感想など。

時は12世紀、英国王ヘンリー二世と妻エレノア、王の愛人に三人の息子。彼等が王位やら家族・恋人の愛やらを巡って虚虚実実の駆け引きを繰り広げるところへフランス王までやって来て・・・という、もう何が何やらわからなくなりそうな展開を骨太の物語に仕立て上げた、凄い作品です。

『冬のライオン』(オリジナル)

1968年、アンソニー・ハーベイ監督。

映像は製作年相応のものながら、絵作り的にはさほど古さを感じさせません。広間の床にイグサが敷いてあったりとかなりのリアル志向。あまり美しくはないものの、実際こんな感じだったのではないかしらん。リメイク版との比較になりますが、テンポが非常に早い。リメイク版のテンポが悪いわけではないのですけど、割と各場面をねちっこく描いているため終盤ではちょっと食傷気味になってしまったのも事実。その点こちらは2時間余りに凝縮された、密度の濃い展開でした。

『THE LION IN WINTER 冬のライオン』

2003年、アンドレイ・コンチャロフスキー監督。

テレビ映画として作られたものらしく、前後編に分かれています。合わせて3時間余り。相当手を加えてあるものと思っていたんですが、内容的には完全に一緒でした。印象的な場面も台詞も、みんな同じ。ただ先に書いた通りねちっこく、人物間のやり取りや心の揺れをじっくりと描き出しています。セットは当然違います(笑)城の内装や服装などはこちらの方が好み。それとオリジナル同様、城内の階段が舞台としてとても効果的に使われており、こちらはより印象的だったと思います。

この作品は『レジェンド・オブ・サンダー』『キング・オブ・ファイヤー』とセットで販売されているようです。他の二作もとても面白く、オススメです。