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『ブーリン家の姉妹』

ナタリー・ポートマンもスカーレット・ヨハンソンも、どちらも凄く良かった。

エリザベス2本

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エリザベス

1998年、シェカール・カプール監督。

若き日のエリザベスを、ロバート・ダドリーとのロマンスを軸に描いた作品。ロマンス+史劇といった趣で見ごたえがあります。物語のラスト、それまでの一人の女性エリザベスから、何かこの世ならぬ存在、女王エリザベスへと名実共に変貌した事を思わせるシーンはとりわけ印象的です。

エリザベス:ゴールデン・エイジ

2007年、シェカール・カプール監督。

スペインの無敵艦隊との戦い(アルマダ海戦)に勝利し、英国の黄金時代を迎えるまでを描いた作品。前作とは打って変わって盛り沢山で、愛人としてウォルター・ローリーが登場するもののロマンスはもはや一要素に過ぎず、陰謀ありアクションありの娯楽大作といった趣。全体として豪華ではあるものの軽くなった感は否めず、作品としては前作の方が優れていると思います。それでも女王の、常人ならとても耐えられないであろう孤独さなども描かれていますし、ピカピカのゴシック甲冑に身を固めて白馬にまたがったエリザベス女王とか、個人的にはもうこれだけで全て良し!的な気分だったりします。

この甲冑シーン、見た瞬間にダヴィドの描いたナポレオンが思い浮かびました・・・て事で、映画のシーンとダヴィドの絵をちゃんぽんにしてみました(^^;

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『レスラー』

公開中の『レスラー』を観て来ました。ダーレン・アロノフスキー監督。過去の栄光を引きずる中年レスラーの姿を追った物語。

自分の居場所を探し求める男の物語とも言えるでしょう。それは家族か恋人か、平凡な生活か、それとも。。観る側に共感出来るような経験がないと、主人公のランディは単に救いようのないダメ親父としか映らないかもしれません。そういう意味では大人向け。共感出来る人にとっては、観終わった後からもジワジワとくる余韻の残る作品だと思います。

主演のミッキー・ローク、ストリッパー役のマリサ・トメイも良かったのですが、娘役のエヴァン・レイチェル・ウッドの目力がとりわけ印象的でした。

『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』

映画化の2作目。前作は原作に忠実でよかったのですけど、これは・・・途中で観るのを辞めてしまいました。原作を知らずに観ればまた違った目で観られるものと思いますが、ナルニアの名前で売っている以上別のお話にしてしまうってのはちょっと。。。何でこうなっちゃったんでしょう?期待して観始めた分、悪い夢でも見ているかのようでした。原作の内容を忘れた頃にもう一度・・・観ないだろうなあ。そもそもカスピアンがやけに感じ悪いというか・・・うーむ。

『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』

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2005年、アンドリュー・アダムソン監督。Amazonの点数など見ると評価は今ひとつなのかな?それだけ原作に思い入れのある方が多いのかもしれませんね。

個人的にはとても良く映像化されていると思いました。序盤の洋服ダンスの場面の処理などは感心しましたし、ストーリー的にも省くところはざっくり省きつつ上手くまとめている。ただし冒頭、爆撃シーンやら何やらはちょっとダラダラしている気がしました。

子供たちは最初あんまり可愛くないなあなどと思っていたんですが(^^;、徐々に役に馴染んでいくような感じがあって、これはこれでいいのかなと。クリーチャー等のCGもよく出来ていたと思います。特にアスランが安っぽくなってないのは良かったですね。クライマックスの合戦シーン、色んな地域・時代の甲冑が割と節操無く取り込まれています。甲冑スキーとしては面白かったのでOK(笑)。それから意地でも血を見せないという姿勢、時に凄く不自然だったりもするんですけど、良し悪しは別としてその徹底振りには感心しました。

イラストは原作で一番好きというか、印象的だった場面です。

『マリー・アントワネット』

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2006年、ソフィア・コッポラ監督。

マリー・アントワネットと聞くと「パンがないならケーキを食え」と言ったなどという逸話が頭に浮かびますが、本作ではそうしたいわゆる悪女のイメージではなく、ただひたすら自分に正直に生きた女性として描かれています。

贅沢はするけれども、民衆が苦しんでいると聞けばちょっとは我慢もする。夫が妻として遇してくれない悩みからかグルメやお洒落に走り、子供に恵まれた後も好きになった男とは浮気をし、そうかといって夫への愛情が失せたかと言えばそうでもなく、結局夫の許へ戻り最後は運命を共にする・・・

主演のキルスティン・ダンストについては子供の頃は可愛かったのに・・・というイメージでしたが(ゴメンナサイ)、本作では美人とかそういうのとは違うレベルで、嫌味なところの無いとても魅力的な女性に映りました。

『ニーベルングの指環』

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2004年、ウーリー・エデル監督。ジークフリートの物語を映像化したもので、元はテレビ向け作品のようです。

タイトルはワーグナーのそれと同じですが、内容は神々が登場しない点をはじめ大きく異なっており、むしろ「ニーベルンゲンの歌」などより古い伝説群に依っている印象です。舞台設定や展開などは合理性を持たせるためアレンジされているものの、エピソード単位ではかなり忠実に再現されており、全体を通して原作(?)に対する敬意が感じられます。ジークフリートは序盤ではやけに軽いニーチャンなのが、物語の進行と共に貫禄が出てきて、こういうのもありかなあと思わされました。ブリュンヒルデ、グリームヒルトもそれぞれこの作品なりの人物像を表現していると思います。

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『ロミオとジュリエット』

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1968年、フランコ・ゼフィレッリ監督。

オリビア・ハッセー演じるジュリエットが素晴らしいです。目や唇、指の表情に富み、ロミオが彼女を見初める舞踏の場面などはとりわけ印象的でした。

全体の作りとしては原作に忠実だったように思います。音楽、衣装などもとてもよく、感動的な作品です。

『ダンジョン&ドラゴン2』

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2005年、ゲリー・ライブリー監督。D&Dの世界を舞台に、一応前作ともつながりがあります。前作の中ボス(?)ダモダーが復活して邪悪なドラゴンを蘇らせ・・・てなお話。

前作の出来に加え、B級・C級オーラぷんぷんのジャケット写真からむしろ違う方の期待をもって観たのですけど、意外とまとも、というのが素直な感想です。映像的には安っぽいなりに邪竜などなかなか個性的なデザインで雰囲気が出ていますし、パーティ内のやりとり等もベタながら押えるところは押さえている感じ。わざわざ復活したダモダーのヘタレっぷりはさすがに突っ込みたいところですが・・・

この手のものが好きで過度な期待を持たなければ、そこそこ楽しめるかと思います。

『トリスタンとイゾルデ』

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2006年、ケビン・レイノルズ監督。

トリスタンとイゾルデの物語ではありますが、原作を意識しつつも内容はかなり異なります。媚薬が登場しないのは象徴的で、終始現代的な感性で処理されています。

リアリティーは当然必要ですし結局は程度問題だと思うのですけど、何でもかんでもさも事実っぽく処理してしまうやり方はどうも好きになれません。ビジュアル面も然り、「英雄」達がみすぼらしい格好で駆けずり回るのを延々暗い画面で見せられたところで面白くも何ともなく、気が滅入るだけです。

真面目に作っているのは理解できるのですが・・・いっそ別方向に現代的な感性を発揮して官能巨編にでもしてくれればね。それはそれで面白いんじゃないかしらん。