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イラストを展示させていただきます

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先にお知らせした『中世オータムフェスタ』において、イラストを展示させていただくことになりました。

内容ですが、新作はちょっと難しい・・・と思うので、既存の作品から出展することになりそうです。第一回フェスタのイラストと連作「ジェレイントとエニド」あたりを並べて、あとはポストカードサイズにプリントした各種作品を販売させていただこうかなあと考えております。ご来場の際には是非お立ち寄りくださいませ。

日時:
2007年9月22日(土)10:00-17:00
場所:
東京都立産業貿易センター浜松町館2F展示ホール
詳しくは「中世オータムフェスタ」公式サイトをご覧ください。

私信とか

今日拍手コメントをくれた某、どうもありがとう。以上私信。


先日熱中症の状態になってしまい、以来微熱が続いていたのが、今日になって漸く落ち着いたかな~と思って測ってみるとやっぱりちょい高めでした。どこかしら身体のバランスがおかしくなってるんだろうなあ。

聞けば冷房病というのもあるそうですね。冷えすぎや外気温との差が大きすぎることなどにより体温調節機能に不具合を生じるとか。これを予防する為には外気との温度差を5℃以内にする・・・って先日までの暑さじゃ33℃とかに温度設定しなきゃならないですよねえ。うちのエアコンは30℃までしかなかったぞ。

秋の虫の音も聴こえるようになってきましたが油断は禁物、体調管理にはくれぐれもご留意を。

『中世オータムフェスタ』

公式サイトへ

ちょっと宣伝。

およそ1ヶ月後の9月22日(土)、浜松町にある産業貿易センター浜松町館において、「中世オータムフェスタ」というイベントが開催されます。IllusionWind様が主催される中世イベントの第2回で、前回より更にパワーアップしているそうです。

前回に引き続き、本イベントのフライヤー及びリーフレットのイラストを描かせていただきました。上はフライヤーのイラスト。ご好意により何枚か手持ちがありますので、ご所望の方はお申し付けください。もっともこれだけでは入場できませんので、当日行ってみようという方には前売券のご購入をお薦めします。詳しくは公式サイトをどうぞ。

Illustration更新

「白拍子2」をアップしました。今回も軽い絵ですが一寸気に入ったので。

『ダンジョン&ドラゴン2』

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2005年、ゲリー・ライブリー監督。D&Dの世界を舞台に、一応前作ともつながりがあります。前作の中ボス(?)ダモダーが復活して邪悪なドラゴンを蘇らせ・・・てなお話。

前作の出来に加え、B級・C級オーラぷんぷんのジャケット写真からむしろ違う方の期待をもって観たのですけど、意外とまとも、というのが素直な感想です。映像的には安っぽいなりに邪竜などなかなか個性的なデザインで雰囲気が出ていますし、パーティ内のやりとり等もベタながら押えるところは押さえている感じ。わざわざ復活したダモダーのヘタレっぷりはさすがに突っ込みたいところですが・・・

この手のものが好きで過度な期待を持たなければ、そこそこ楽しめるかと思います。

『Rackham's Color Illustrations for Wagner's "Ring"』

Rackham's Color Illustrations for Wagner's

前日の記事からの流れでご紹介。「ニーベルングの指輪」をイラスト化したもので、60点余りのカラーイラストと数点のモノクロカットが収められています。どの絵も登場人物の神秘的な表情と躍動感が素晴らしく、大変魅力的です。私は原作の内容を知らずに購入してそれでもいたく感動したものですが、知っていればより一層楽しめることでしょう。

印刷は上質とはいいかねますが、とりあえず見るのに支障はないと思います。少し暗部がつぶれ気味のような気も。原画を見たことないのでわかりませんけど。

ところで、作中例の羽の付いたカブトを被ったワルキューレが大勢登場します。実際にこのようなデザインがあったわけではなくて画家の創作が定着したものらしいですが、誰が元祖なんでしょうね。そう言えばギリシア神話の神ヘルメスもよく羽付きの兜だか帽子だかを被っています。なにか関係あるんだろうか・・・と、少々脱線でした。

『ジークフリート伝説 ワーグナー『指輪』の源流』

ジークフリート伝説 ワーグナー『指輪』の源流

多くの文芸作品で扱われているニーベルンゲン・ジークフリート伝説について述べた、大変読み応えのある本です。「ヴォルスンガ・サガ」「ニーベルンゲンの歌」等を経て、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」でクライマックスを迎えるという構成。古今の作品のあらすじ・特徴などのわかりやすい解説を読んでいく中で、作品の枠を越えた伝説そのものの性格や変遷ぶりが浮かび上がってきます。

個人的に嬉しかったのは「指輪」四部作のあらすじが結構くわしく、且つわかりやすく書かれている点。尻込みして手を出せずにいるのですが、ワーグナーってスゴイんだなあというのが本書を読んでの素直な感想です。うーん、やっぱ一寸観てみたい。

『ジークフリート伝説 ワーグナー『指輪』の源流』
石川栄作著
講談社学術文庫

『トリスタンとイゾルデ』

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2006年、ケビン・レイノルズ監督。

トリスタンとイゾルデの物語ではありますが、原作を意識しつつも内容はかなり異なります。媚薬が登場しないのは象徴的で、終始現代的な感性で処理されています。

リアリティーは当然必要ですし結局は程度問題だと思うのですけど、何でもかんでもさも事実っぽく処理してしまうやり方はどうも好きになれません。ビジュアル面も然り、「英雄」達がみすぼらしい格好で駆けずり回るのを延々暗い画面で見せられたところで面白くも何ともなく、気が滅入るだけです。

真面目に作っているのは理解できるのですが・・・いっそ別方向に現代的な感性を発揮して官能巨編にでもしてくれればね。それはそれで面白いんじゃないかしらん。

Illustration更新

「お弁当!」をアップしました。軽い絵ですがあまりこういうのは無かったので良いかなあと。

『ドラゴンランス』

ドラゴンランス(6) 天空の金竜

たぶん古典に分類されるんであろう作品。天から帰還した暗黒の女王に立ち向かう、さまざまな種族からなる仲間たち。女王の僕である邪悪なドラゴンを倒すために、タイトルにある伝説のドラゴンランスを蘇らせ・・・てな具合に話は展開します。

作品の一番の魅力は、今やファンタジーの世界ではお約束とも言えるキャラクター達でしょう。ドワーフ、エルフ、人間の騎士などなど、それぞれの行動規範にのっとって存分に活躍してくれます。もっとも「全員」が魅力的というわけにも行かないようで・・・よりによって主人公とも言うべき、一行のリーダーであるタニスに全く魅力が感じられませんでした。

彼には、ハーフエルフの私生児という出自だったり人間・エルフの女性との三角関係だったりと、そこらの脇役とは訳が違うと言わんばかりの設定が付与されています。恐らく作品に幅と深みを出そうという意図があったと思うのですけど、この点については成功しているとは言いがたいんじゃないでしょうか。彼が前面に出てくると途端に読むのがおっくうになるんですよね。書き手が設定を消化するのに手一杯という感じで、これは全く個人的な感想でもなかろうと思うのですが。

他にも、お前よりレイストリン(魔法使い)の方がよっぽど役に立ってるじゃん、とか言いたいことはまだ出てきそうなんですけど、他のキャラクターの活躍はそうしたことを補って余りあるものですし、ドラゴンの大部隊というモチーフは想像力を大いに刺激してくれます。作品自体は大変面白かったので悪しからず。

『ドラゴンランス』1~6巻
マーガレット ワイスほか 著/安田 均 訳
エンターブレイン