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『トゥルー・ナイト』

レンタル店で置いてないと思ってたのをひょっこり発見したので早速借りてみました。1995年、ジェリー・ザッカー監督。

物語はアーサー王伝説をベースにしていますが、バリバリのアーサーものという雰囲気は希薄で、むしろ三角関係の設定だけ借りて来ている感じです。とは言え円卓なんかはちゃんと登場します。全体的にはそつのない作りというか、安心して観られる作品だと思いました。ただ甲冑は妙にダサイです。

印象的だったのはイメージカラーとして青が多用されている点。それもくすんだ青ではなくて、深みのある、かなり鮮やかな青です。この手の映画では地味系の色で統一されている事が多く、私自身ついそういう先入観を持って見てしまうのですけど、中世の絵画や写本などを見ると結構どぎつい色も多く使われているんですよね。してみればこういう色使いでも不思議はないのかも、ともあれちょっと新鮮でした。

しかしこの作品に限りませんが、アーサーはどうも損な役回りですね。元がそういうお話なので仕方ないんでしょうけど、ショーン・コネリー扮するアーサーもやっぱり嬉しくない最期を迎えてしまうわけです。ランスロットがグィネヴィアの部屋を訪ねるシーン、この作品の展開だったらそのまま城を去り、寂しげな後ろ姿でジ・エンドってのもありだったのではないかしらん。

・・・ないか。

Geraint and Enid 5

「ジェレイントとエニド」の5作目をアップしました('O me, I fear that I am no true wife!')。この連作もようやく五合目(多分)。勇ましさを忘れた夫を嘆くエニド。しかしそんな彼女を、ジェレイントは誤解してしまいます。

Web拍手を送ってくださった方、大いに励みになってます。本当にありがとうございます。

『世界らん展』

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その名の通り、ありとあらゆる蘭を集めた展示会です。10時の開場直前に到着したのですけど、ドーム前には既に入場待ちの人の群れが。会場内も相当な混雑振りで、人波をかいくぐって見てきました。品種などの知識は全くないものの、地味なものから見るも鮮やかなものまで、趣向を凝らした展示も数多く、堪能して参りました。東京ドームにて、2/26(日)まで。

『喰いタン』

日テレのドラマ。ドラマは殆ど見ないのですけど、何故かこれだけ見ています。馬鹿馬鹿しいノリで押し通しているのが好き。

『ラファエル前派の夢』

図書館で借りてきて読みました。

ラファエル前派というと、19世紀中頃の英国における美術史上の一潮流で、ロセッティやミレイがこれに属する・・・程度の事は知っていたんですけど、要はその程度しか知らなかったわけです。

本書はラファエル前派同盟の結成のいきさつから後世に与えた影響に到るまで、主要な人物に焦点を当てながら論じています。焦点が切り替わる度に時系列が前後するので、読んでいる最中は少々解り難さもありますが、ひと通り読めばなるほどと理解出来る、といった感じです。・・・それでも説明出来る程には理解してませんけど。

ところで私はポインター、ウォーターハウスといった画家達がお気に入りなんですが、本書では全く、名前すら登場しません。彼らも広い意味ではラファエル前派に含まれるんだろうと考えてたんですけど、違うようですね。古典派?とか何とか。今度はその辺のところをあたってみようと思ってます。でも、この時代の英国の画家って「西洋美術史」という括りでは殆ど無視されているような。手頃そうな本をなかなか見かけないんですよね・・・

『ラファエル前派の夢』
ティモシー・ヒルトン著:岡田孝彦・篠田達美訳
白水社

『アレキサンダー』を

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観ました。アレキサンダー大王の話・・・ってそのままですが。

最初は凄い映像だな~と思って観ていたんですけど、前半のクライマックスである合戦シーンあたりから完全にダレてしまい、途中一部早送りにしてしまいました。やはり長過ぎでしょう。シーン毎の尺が無駄に長いというのか、計3時間近くになる作品なんですが、普通にまとめるつもりで編集すれば2時間で充分に収まる気がしました。長けりゃ超大作か?と。

話そのものは可も無く不可も無くといったところで、大いなる夢を抱いて出征したアレキサンダー一行が次第にグダグダになってゆく様子など、個人的には長過ぎなければ普通に楽しめたと思います。また、はじめにも書きましたが絵的には見所満載で、衣装やセットも細かい所まで実によく作り込まれています。資料映像としてみるなら出色の出来と言ってよいと思うのですけど・・・ねえ。

スズメとメジロ

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道端でエサを探しているスズメ達に混じって、一羽のメジロがチョンチョンと跳ねていました。メジロ見たのなんて何年振りだろう。私は鳥の中でもスズメがトリわけ好きで、スズメを見ているとつい口元がほころんでしまうのですが、メジロも可愛いもんですね。

エアコンが壊れた?

帰ってきてエアコンを入れたら、「・・・ヴヴン・・・ヴヴォオオオ~ン」と何やら物凄い音が。爆発するんじゃないかってな位。先日フィルタの掃除で調子が良くなったと喜んでいたのもつかの間、ここ2・3日急に風が出て来なくなったりと少々怪しい具合だったのですが・・・もしかして壊れた?それはちょっと洒落にならんですよ。

『タイムライン』を

観ました。考古学者が14世紀にタイムスリップしたはいいものの向かった先で捕まってしまいさあ大変、息子と助手達が救出に向かうが・・・てなお話。

導入部分と途中にちょこちょこ現代のシーンが出てきますが、ほぼ全編にわたって中世を舞台としたドタバタ劇が繰り広げられます。M・クライトンの原作は知らないのですけど、お話そのものはまあ随分と馬鹿馬鹿しい内容です。とは言え、その点を割り切って観る分にはテンポも良くて充分楽しめました。

とりわけ中世コスチュームものとしては見所満載です。百年戦争最中のフランスが舞台ですので、英仏の兵士をはじめ投石器やら何やらがもうわんさか出てきます。甲冑や衣装についても当時のスタイルにかなり忠実にデザインされているようですし、そういうのが好きな人にとっては観て損の無い作品と言えるでしょう。

『アーサー・ラッカム』

アーサー・ラッカム

図書館でそのまんまのタイトルを見付けたので早速借りてきました。各作品から抜粋した挿絵50点余りが収録されています。収録数が多いのは『ケンジントン・ガーデンのピーターパン』『不思議の国のアリス』『ニーベルンゲンの指輪』など。本自体のサイズがやや小さいものの印刷は綺麗で、美しいイラストを一枚一枚じっくり見ることが出来ます。また、巻末にラッカムの生涯についての解説があり、これを大変興味深く読みました。思えばラッカムの人となりや、挿絵画家として不動の地位を得るに至った過程については全然知らなかったんですよね。若い頃、仕事をしていた出版社にビアズリーが入って追い出される格好で出版社を移ったエピソードなど、思わず「へえ~」でした。他にも下積みの時代を経てあの画風を確立した事、晩年病床においてもペンを持ち続けた事などなど、さほど長い文章ではありませんが一読する価値はあると思います。

『アーサー・ラッカム』
大瀧啓裕監修・解説
河出書房新社