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『Lawrence Alma-Tadema』

Lawrence Alma-Tadema

ローレンス・アルマ=タデマはオランダに生まれ英国で活躍した、19世紀の画家。ウォーターハウス等と並んで好きな画家のひとりです。

ペーパーバックと書いてあったので薄めのコンパクトなのを想像していたのですけど、デカイ。ブ厚い。相当のボリュームです。まあ確かにハードカバーではないですね。印刷も綺麗。少~し暗めのような気もしますが、現物を見たことがないのでその辺はなんとも。

実に幅広い作品が収録されています。習作やスケッチも幾つか見られるのは嬉しいですね。絵はどれも独特の雰囲気があって、人物を描いたたとえドラマティックな作品であってもまるで静物画のような、静謐な印象を与えます。そんな傾向もあって絵によってはやや散漫に思えたり、面白みに欠けていたりもするのですが、それらも全てひっくるめて、壁や床石・衣服の襞などの質感描写や地中海の乾いた大気の表現(行った事ないけど)等々は、そりゃあもう素晴らしいのです。こんな風に描けるようになったらもう死んでもいい・・・って死んでしまったら描けないので困るんですが、それ位憧れてしまいます。

『Icon: A Retrospective by the Grand Master of Fantastic Art』

Icon: A Retrospective by the Grand Master of Fantastic Art

よく見かけるけどちゃんと見たことはなかったフランク・フラゼッタの画集。カラーを中心に幅広い作品が収録されています。改めて見ると構図とか色使いとか、コスチュームのデザインとかデフォルメの仕方とか、どれもこれも凄い。自在に描きまくっている感があります。多くの絵描きに影響を与えているのも当然でしょうね。

収録点数も多くてボリュームは十分ですが、個人的にはペン画をもっと見てみたかったかな(幾つか入ってはいます)。

『中世の美術』

図書館で借りた本。「美術」となっていますが内容はもっぱら「中世の建築」です。

中世の建築に興味はあるんだけど基本的な知識が全く無くて、

「ゴシックゴシック言うけどそもそもゴシックって?」

「ロマネスク?ゴシック?ロマネスクの方が先だったっけか?」

なんて人(私)にはぴったりの本です。歴史、特徴から代表的な建築に至るまで、わかり易く紹介されています。用語解説がついているのも親切です。こりゃあいいってんで全部写してしまいました。

ただ割と古い本のようで、現在入手可能かどうかは不明。Amazonで調べたら新品はありませんでした。

『ケンブリッジ西洋美術の流れ2 中世の美術』
アニー・シェイヴァー・クランデル著:西野嘉章訳
岩波書店

『妖精の女王』

同名の本を2種類。

妖精の女王〈1〉

『妖精の女王』

エドマンド・スペンサー著:和田勇一・福田昇八訳:ちくま文庫(全4巻)

昨年来少しずつ読んでいたのをようやく読了。作者のエドマンド・スペンサーはシェイクスピアとほぼ同世代の詩人で、英国はエリザベス女王の治世です。物語は大きく六つのエピソードに分かれ、それぞれ主人公となる騎士が任務を果たすべく冒険を繰り広げます。

「むかしむかし・・・」という体裁をとってはいますが、「妖精の女王」とはすなわちエリザベス女王の事です。また、「身分ある人々に道徳的訓育を施すこと」がこの詩の主要な目的であると作者自ら語っているだけあって、おべっかや教訓臭が少々鼻につく面はあるものの、純粋に物語として読んでも十分楽しめるものだと思います。竜退治あり、お姫様救出あり、魔女やら黒騎士やら、神さまだってぞろぞろお出ましになるよ~ってな具合。そして主人公の騎士は冒険の過程で幾多の試練を経て「徳」を身に付けていく・・・訳者解説によれば「ファミコンゲームの格好の素材となっている」そうです(笑

訳は大変読みやすいものだと思います。注釈も親切。突然知らない名前が登場して何のこっちゃ、なんて事はありませんでした。

『Illustrations and Ornamentation from THE FAERIE QUEENE』

Illustrations and Ornamentation from the Faerie Queen (Dover Pictorial Archive Series)

ウォルター・クレイン

こちらはウォルター・クレインによる挿絵集、いや独立したイラスト集と言った方がいいのかな。100点を超えるモノクロイラストが収録されています。本体を読む前に購入していたんですけど、少し眺めた程度でずっと本棚に眠っていたのでした。

改めて見るとこれが凄い凄い。一見しただけで、どの場面を描いたものかすぐわかる。膨大な登場人物を描き分け、画面全体を埋め尽くす描き込みに圧倒されます。装飾枠もそれぞれ違ったデザインになっているんですよ。しかも絵の内容とリンクするものだったりする。一体1枚あたりどれ位の時間で描いたんだろう・・・

『アーサー・ラッカム』

アーサー・ラッカム

図書館でそのまんまのタイトルを見付けたので早速借りてきました。各作品から抜粋した挿絵50点余りが収録されています。収録数が多いのは『ケンジントン・ガーデンのピーターパン』『不思議の国のアリス』『ニーベルンゲンの指輪』など。本自体のサイズがやや小さいものの印刷は綺麗で、美しいイラストを一枚一枚じっくり見ることが出来ます。また、巻末にラッカムの生涯についての解説があり、これを大変興味深く読みました。思えばラッカムの人となりや、挿絵画家として不動の地位を得るに至った過程については全然知らなかったんですよね。若い頃、仕事をしていた出版社にビアズリーが入って追い出される格好で出版社を移ったエピソードなど、思わず「へえ~」でした。他にも下積みの時代を経てあの画風を確立した事、晩年病床においてもペンを持ち続けた事などなど、さほど長い文章ではありませんが一読する価値はあると思います。

『アーサー・ラッカム』
大瀧啓裕監修・解説
河出書房新社

「今月のアマゾン」

てな感じで毎月何かしら買うようになってしまいました。 で、今回買った本。

『Idylls of the King』Alfred Tennyson

Idylls Of The King (Dover Giant Thrift Editions)

テニスンの『国王牧歌』。・・・英語です。日本語訳が出ていないっぽいのでやむを得ず、読みたかった章だけ読むつもりで。10ページ程読んでみましたが、物語の筋を知っている部分は何となく理解できるものの、そうでない箇所はちんぷんかんぷんです。いちいち辞書を引いてたら何べん日が暮れるかわからないので、わからない所はすっとばし。

Shakespeare's a Midsummer Night's Dream

『Shakespeare's A MIDSUMMER NICHT'S DREAM』

ラッカムが挿絵を描いているシェイクスピアの『真夏の夜の夢』。これも英語ですが、取り敢えずこちらは日本語訳で読んでるので最初っから読むつもり無し。挿絵をにやにやしながら眺めるのが目的です。ペンのみの白黒画も凄くイイ!

しかしまあ・・・やっぱり英語は出来た方がいいですね。

構図

やっぱり構図も勉強しなきゃ、ということで先日、視覚デザイン研究所の『構図エッセンス』なる本を購入してちょっとずつ読んでいたのを今日読み終えました。黄金率とか、私初めてその意味を知りましたよ。もちろん他にも色々な事が書いてあって、今後絵をみる際、ちょっと今までと違った視点からもみる事が出来そうです。でも描く際は・・・うーん微妙。知識だけで描ければ苦労はしない訳でして。

それからこの本、近・現代の日本の画家を中心に作品が沢山載っているので(モノクロのも多いですけど)、その点でも面白く読めました。藤島武二とか、これまで名前を知るのみでスルーしてきたのですが、なかなか良さげな作品が載ってて、興味が湧いてきました。今度本屋さんに行ったら見てみようと思った次第です。

『構図エッセンス』
視覚デザイン研究所編

『MONO AQUIRAX』

MONO AQUIRAX―宇野亜喜良モノクローム作品集

宇野亜喜良さんのモノクローム作品集を購入。宇野亜喜良さんって・・・相当有名な方ですよね?私はついこないだまで知りませんでした。自分の守備範囲の狭さを痛感。

とにかく物凄い数のカットが収められています。やはり数量の多さというのはもうそれだけでパワーがありますね。もちろん数だけでなく中身の方も、特にテーマやスタイルの幅広さに驚かされました。プロの仕事だなあと。色々ある中で個人的にはやはりと言うか、リアルタッチのものに魅力を感じます。同じ向きの線(横線が多いみたい)だけで濃淡からディティールまで表現してしまうテクニックに、これはもう芸の域だなあと。

『ポーズカタログ【和服編】』

和服のポーズ集を買ってしまいました。ふと目に入って「あ、使えそう」と衝動買い。・・・使えるんでしょうか?

買おう買おうと思っているものはいざ目の前にするとさんざん迷うくせに、ひょっこり見つけたものは何故か即決で買ってしまいます(^^;

それにしても最近、自分で描くより資料やら画集やら、買ってる方が多いような・・・

『ポーズカタログ【和服編】』
マール社

『世界の建築』

イラスト資料 世界の建築

『イラスト資料 世界の建築(マール社)』なる本を衝動買い。エジプト・ギリシャから果ては日本まで、世界中のあらゆる建築様式の構造や装飾を、詳細に図解したものです。もともと専門書として発行された著作の挿図と注釈を抜粋してまとめたものらしく、聞いたことのない単語が普通に使われてます。掲載されているイラストもなんか凄い。描いた方の執念が感じられるというか。とりあえず適当に眺めているだけでも充分面白いのですが、はたしてこの本が「役に立つ」日は来るのかしらん。

『イラスト資料 世界の建築』
マール社