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『女王エリザベス』

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1939年、マイケル・カーティス監督。

イングランド女王エリザベス1世とエセックス伯ロバート・デヴァルーの恋物語。お互いに愛し合いながらも、権力への野望を捨てられないロバートと国への忠誠を捨てられない女王エリザベス。特にエリザベスの、恋人と国家の間で揺れ動く心の様子が丹念に描写されており、ベティ・デイヴィスの妖怪のような風貌(失礼!)と相まって何とも言えない渋い作品となっています。

Amazonで見る限り現在単品では発売されておらず、エロール・フリンのDVDボックスに収録されているのみのようです。

『ジャンヌ・ダーク』

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1948年、ヴィクター・フレミング監督。

ジャンヌ・ダルクについてはどこまでが史実でどこまでが虚構なのか、私はよく知らないのですけど、割と新しいミラ・ジョヴォヴィッチ主演の映画と進行的には非常に似通っています。違いはダスティン・ホフマンが出るかどうか、位のものではないかと。

しかしながら、観た印象は全く別。正直一寸アレな人にしか見えないミラジャンヌに対して、イングリッド・バーグマン演じるジャンヌはまさに聖少女。戦場においてもあくまで可憐なその趣は、完璧に整ったメイクといいリアルさには欠けるかもしれませんけれども、好みとしては断然こっち、です。

映像はさすがに古さが目立つものの、コスチュームのデザインも秀逸で、中でもジャンヌが着る甲冑の優美なラインは特筆ものかと思います。いささかマニアックな見方ですが(笑

『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』

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2005年、ジョージ・ルーカス監督。アナキン少年がフォースの暗黒面に堕ち、ダース・ベイダーへと変貌を遂げるさまが描かれます。

とりあえず映像面では前作よりも楽しめました。右のらくがきに描いた生き物とか、とてもよく出来ていたと思います。ただなまじ前述のドラマがある分、前作以上に割り切りも必要というか・・・よくない方に「うそーん!?」な展開。

いっそ「朝起きたらダース・ベイダーになっていた」とかでも(以下略

『スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』

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2002年、ジョージ・ルーカス監督。

エピソード1を映画館で観て以来ほったらかしだったスターウォーズ。今回もCG、CG、またCGという感じで「これ絶対趣味だけで作ってるだろ・・・」と思いつつ観てたんですが、これだけやりたい放題やられると終いにはこれはこれで良いのかしらん、という気がしてくるから不思議なものです。とりあえずエピソード3も観ておこうと思います。

『エラゴン 遺志を継ぐ者』

2006年、シュテファン・ファングマイアー監督。

平凡な少年が実はドラゴンに選ばれしドラゴン・ライダーで、ドラゴンと共に戦う・・・てなお話。小説が原作ですが未読です。

うーん。とりあえず退屈はしませんでしたけど。中盤まではジェレミー・アイアンズをはじめとする脇役陣でもたせ、終盤はCGでゴリゴリ押し切る・・・といった趣があり、お話としてはかなりベタです。多分原作ではあるだろう、主人公がさまざまな葛藤を乗り越えて成長していく的な描写を一切省略し、事ある毎にほいほいレベルアップしていく様にはある種の潔ささえ感じるものの、やっぱり一寸なんだかなあ。原作との関係はわかりませんが話終わってないし。

ドラゴンがらみの映像はなかなか面白かったですし、さくっと割り切って見るのがよろしいかと思います。

『ロビンフッドの冒険』

1938年、マイケル・カーティス監督。

ロビン・フッドものの映画といえばまずケビン・コスナーのものが頭に浮かびますが、こちらはかなり趣が異なり先に紹介したハワード・パイルの作品に近い印象です。コスチュームなんてもろにそうですし(とても鮮やか!)、リトル・ジョンやタック和尚との出会いの場面など思わずニヤリとしてしまいました。ヒロインのマリアンが登場する点が決定的に違うものの、明るく陽気な雰囲気は「ゆかいな冒険」という表現がぴったりです。

主演のエロール・フリンについては名前は聞いたことあるような?程度の知識でしたが、スターのオーラを感じさせる人ですね。一方マリアン役のオリビア・デ・ハヴィランド、見たことあるなあと思ってたら『風と共に去りぬ』でメラニーを演じた方でした。Wikipediaによれば現在もご存命とか、こりゃびっくり。

Amazonのリンクはスペシャル・エディションだかのものですが、廉価版も出ているようです。スーパーで見た気もする・・・

『ヘラクレス 選ばれし勇者の伝説』

2004年、ロジャー・ヤング監督。もとはTVドラマのようです。当然ヘラクレスを主人公としたお話。

うーん・・・どういう意図でコレを製作したのかわかりませんが、私見では英雄を神話の世界から引きずり下ろして安っぽい愛憎劇に仕立て上げました~といった趣の、ひどい作品です。最後まで観るのがなかなかの苦痛でした。参考にAmazonのリンクはつけていますが、観るのは激しくお薦めしません。ショーン・アスティン(サムの人)が従者の役で出てきますので彼のファンの方とか・・・サテュロスが実写で動くのを見てみたいとか、そういう方なら。

アイヴァンホー

アイヴァンホーは英国の詩人・小説家のサー・ウォルター・スコットによる小説で、リチャード獅子心王やロビン・フッド等と共に活躍するサクソン人の騎士の物語です。しかしながら原作は未読。岩波書店から翻訳が出ているものの現在新品の入手は困難のようで、今回は映画化されたものを幾つかとりあげてみたいと思います。

『アイバンホー』

1997年、スチューアート・オーム監督。英BBCによるテレビ作品で全6回・5時間近くに及ぶ大作です。

実はこれ、資料的側面に期待して購入したのですが、思いがけずも大変面白い作品でした。長時間に渡るだけの事はあって各登場人物を丁寧に描いており、ハラハラドキドキさせてくれます。さすがに一気に観るのはちょっと辛いかもしれませんが。TVものでありながら、大人数のエキストラを動員した馬上槍試合や攻城戦など見所も沢山あり、当初の期待にも十分応えてくれるものでした(笑) キャストは脇役を含めて見たことのある顔がちらほら。サルマンの人がテンプル騎士団の長として登場したりします。

『黒騎士』

1952年、リチャード・ソープ監督。

こちらはレンタルで観たものですが、時間が短い分エピソードは大幅に削られており、もっぱらアイヴァンホーとユダヤ人の娘レベッカに焦点があてられています。このレベッカが大変綺麗でセクシーな女性で、この人の為の映画という気すらしてくるのですが、誰が演じているのかと思ってエンドロールを見ていると、"Elizabeth Taylor"エリザベス・テイラー、あれ、そんな名前のおばさまがいたような・・・って、同じ人みたいです。知らなかった・・・

斧と重棍による騎馬戦など、それなりに見所もあります。

『ロード・トゥ・ザ・ナイト』

1995年、ラルフ・トーマス監督。

こちらは騎士になる以前の若きアイヴァンホーを描いたもので、原作との関係は不明ながら、とりあえず前2作と比べるような代物ではありません。やる気が感じられないと言うか、全体的にだらだらしています。ロウィーナはパッケージではえらく美人にみえますが、露出が増えてみるとどうもかなり恰幅の良い方のようで・・・もっともその体型を隠すかのようなコスチュームのデザインはそれはそれで良かったので、レンタルだったら観てもよいのではないかと。

『ラ・マンチャの男』

1972年、アーサー・ヒラー監督。

同名のミュージカルを映画化したもののようで、映画自体もミュージカル仕立てになっています。お話の方は言うまでもなくドン・キホーテの物語。主演のピーター・オトゥールが非常に良くハマッてまして、長身痩躯で演じる様はドン・キホーテってこんな感じだったんだろうなあと思わせてくれます。原作読んでませんが・・・

劇中で歌われる曲も印象的なものが多く、観たあともしばらくフレーズが頭の中で鳴っていました(笑) ホロリとさせられるラストもいいですし、ミュージカルが苦手な人(私もそう)も観てみる価値はあると思います。

『ヴェニスの商人』

2004年、マイケル・ラドフォード監督。

シェイクスピアの戯曲を映画化したもの。親友のために自分の肉(文字通り身体の肉1ポンド!)を借金の担保に差し出したヴェニスの商人。ところが返済の見込みが狂ってしまいさあ大変・・・てなお話。

劇中、アル・パチーノ扮する敵役のユダヤ人がキリスト教徒に対し、自分の受けた仕打ちとそれに対する批判を述べる場面があります。これがずいぶんと辛辣な言葉で原作を読んだ際も驚いたのですが、あまりこの部分ばかり深刻にとらえない方が作品を楽しめると思います。

参考までに中村保男氏による原作の解説から引用してみます。

シャイロックは、なによりもまず、喜劇中の悪役という役割をふりあてられた人物なのであり、(中略)彼はみずから設けた冷酷の罠にみずからはまりこむ滑稽な鼻つまみ者なのだ。この芝居が書かれた当時の英国では、ユダヤ人は入国を禁止されており、悪どい高利貸しも道徳的に忌避されていた。その風潮をシェイクスピアは利用したまでなのである。

  • 『ヴェニスの商人』新潮文庫版(福田恒存訳)より

映画はこのあたり深入りせず・・・というよりは全篇通じて原作に忠実に作ってあるようです。傍白部分などもそのまましゃべっています。基本的には小気味良いお話ですし、セットやコスチュームの豪華さは映画ならでは、関心のある人なら充分楽しめると思います。

・・・ポーシャが最初に登場したとき岩○志麻かと思ったのはここだけの話。