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『「鳥獣戯画がやってきた!」展』

サントリー美術館にて、12/16(日)まで。

国宝の「鳥獣戯画」とそれに関連する作品を集めた展覧会。「鳥獣戯画」自身が甲乙丙丁四巻に分かれ、それぞれ描かれた年代も異なるというのははじめて知りました。中でも一番よく知られているであろう甲巻、擬人化されたウサギやカエルが跳ね回っている様は、こんなものを平安時代に描いただなんてどこの天才だか変態だか・・・と思わずにはいられません。犬やら馬やらも躍動感があって、あきれるほど上手いんですよねえ。

『フェルメール 「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展』

国立新美術館にて、12/17(月)まで。

17世紀オランダの画家フェルメールの作品が目玉の展覧会。フェルメールの作品は1点のみですが、そもそも現存する作品が確か30数点だかしかなく、大変貴重な機会です。

絵面自体はネットでもどこでも見られますが、実物を観た印象としては「小さい」てのと「鮮やか」というところ。描かれているのはある一瞬でありながら無限の時間を感じさせるような、独特の深さはフェルメールならではで、一人で間近に座ってボーッと眺めていたい気分になります。出来ませんが。

これ以外では、版画が結構な数あるので興味のある人なら楽しめると思います。ただ個人的にはあくまでフェルメール1点+おまけというイメージで観に行って実際その通りでした。

『没後50年 川合玉堂展』

山種美術館にて、11月11日(日)まで。

川合玉堂は昭和の前半を中心に活躍し、風景とそこに溶け込む人々を描き続けた、個人的に最も好きな日本画家です。

展示はそう大規模なものではなく、作品は後期から晩年のものが中心。脂ののりきった時期の作品が少ないのは少々寂しいですが、押しの強さは全くないのに筆の冴えを感じさせずにはおかない、玉堂ならではの魅力が一層明瞭に出ていると言えるかもしれません。

東山魁夷ら門下の作品と共に紹介されていた玉堂評・エピソードも、彼の人柄がしのばれるものでした。

美術展『パリへ―洋画家たち百年の夢』

東京藝術大学大学美術館にて、6月10日(日)まで。

「日本の洋画」にスポットをあてた展覧会。展示形式は大雑把にみると黒田清輝を中心とした前半部と、佐伯祐三、藤田嗣治らの後半部に分かれています。

黒田清輝は今回のお目当て、と言っても美術の教科書とかでみる人―レベルの認識だったのですが、重要文化財に指定されている『湖畔』をはじめ、さすがに見ごたえがありました。絵全体から凛としたものが感じられ、肌の表現に独特の風味があります。

後半は好みの都合で素通りしたものの、展示内容はそこそこっぽかったので、両方お好きな人であれば贅沢な楽しみ方が出来そうです。平日の昼過ぎでしたが、年配層を中心に結構客も入っていました。

美術展『揺らぐ近代 日本画と洋画のはざまに』

東京国立近代美術館にて、12/24まで。展示内容も知らずに立ち寄ったのですが、思いがけない出物がありました。

ひとつは狩野芳崖の『悲母観音』。赤ん坊が観音さまを見上げている図で、教科書や本などで見た事のある方も多いかと思います。初めて見た時に強烈な印象を受けた絵です(なぜかホムンクルスを連想したのでした。もちろん関係はないでしょうが)。

もうひとつは竹内栖鳳の『ヴェニスの月』。栖鳳はコローが好きだったと読んだ事がありますが、大気の存在を感じさせる所など、なるほどという絵です。

その他の展示作品も地味ながら面白かったと思います。中には現代のイラストレーションを思わせるものもあったりして、当時の画家たちが新しい「日本の絵」を模索していた様子がうかがわれました。

ナスカとロダンとカリエール

『世界遺産ナスカ展』の招待券を貰ったので観に行きました。

上野まで来て、券を忘れてきたのに気が付きました・・・

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『大観、栖鳳、玉堂「近代日本画の三巨匠」 展』

講談社野間記念館にて。初めて行ったんですが思いっきり迷いました・・・館内はガラガラもいいとこ。観る方にしてみれば結構な事なんですけどね。

名前のとおり、横山大観、竹内栖鳳、川合玉堂という近代日本画三巨匠の作品を集めた展示です。中でも実物を観た事のない栖鳳に期待していたのものの、大観の作品が多くて栖鳳は少なめだったのは残念。大観は絵そのもの以外に滲み出てくるものが強すぎるという印象があり、ちょっとあんまり・・・なのです。玉堂は大好き。

いずれにしても有名な作品は少ないようで、絵の解説にも「大作ではないが~」「あまり知られていない作品だが~」みたいなフレーズがちらほら。わざわざそんな事書かなくても。しかし玉堂の小品には滋味深く魅力的なものが多かったですし、大観についても「こういうのも描いてたんだ」という絵があったりで、なかなか面白かったと思います。

『世界らん展』

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その名の通り、ありとあらゆる蘭を集めた展示会です。10時の開場直前に到着したのですけど、ドーム前には既に入場待ちの人の群れが。会場内も相当な混雑振りで、人波をかいくぐって見てきました。品種などの知識は全くないものの、地味なものから見るも鮮やかなものまで、趣向を凝らした展示も数多く、堪能して参りました。東京ドームにて、2/26(日)まで。

「挿し絵本のたのしみ―近代西洋の彩り」

うらわ美術館にて。

うらわ美術館ってとこは初めて行きました。あんなに立派な美術館があったんですねえ。でも下の階にあるテナントが賑わっていたのとは対照的に、美術館内はがらがら。

19世紀から20世紀前半にかけての、西洋の挿し絵を集めたものです。雑誌や小説のものだけにとどまらず、図鑑に掲載されている精密な生物のイラストなど幅広く多数が展示されており、ほとんど知らない画家ばかりだったのですがなかなか楽しめました。

ただ、展示の並べられている高さが少々低くて・・・ずっと屈み込んで見ていたら、腰が痛くなってしまいました。

「生誕120年 川端龍子」展

江戸東京博物館で観て来ました。どの絵がああだこうだというより、ただもう圧倒されました。

この川端龍子という画家は元は洋画から出発したそうなのですが、その絵は洋画か日本画か、という枠をひょいと超えてしまっています。一体これだけのエネルギーの源は何だったのだか。

テクニックも物凄いレベルです。日本画の技術については全くの無知ですけど、普通に絵として「すご、ウマー」と。何かもう、規格外の天才、といった印象でした。