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『中世の美術』

図書館で借りた本。「美術」となっていますが内容はもっぱら「中世の建築」です。

中世の建築に興味はあるんだけど基本的な知識が全く無くて、

「ゴシックゴシック言うけどそもそもゴシックって?」

「ロマネスク?ゴシック?ロマネスクの方が先だったっけか?」

なんて人(私)にはぴったりの本です。歴史、特徴から代表的な建築に至るまで、わかり易く紹介されています。用語解説がついているのも親切です。こりゃあいいってんで全部写してしまいました。

ただ割と古い本のようで、現在入手可能かどうかは不明。Amazonで調べたら新品はありませんでした。

『ケンブリッジ西洋美術の流れ2 中世の美術』
アニー・シェイヴァー・クランデル著:西野嘉章訳
岩波書店

『ベーオウルフ』

同名の本を2冊。

『ベーオウルフ』

忍足欣四郎訳:岩波文庫

古英語による英雄叙事詩で、8世紀頃に成立したものとされています。物語はおおまかに二つに分かれ、前半部では若き日の主人公の怪物退治が、後半部では老いた主人公が竜を退治するも自らも力尽きるくだりが歌われています。

硬派というか大変骨太な詩で、ヒロインの類などは全く登場しませんし、主人公がうじうじ悩んだりすることも一切ありません。英雄ベーオウルフの行動のみが本筋として語られ、それらは大変勇ましいのですが、詩全体としては暗いトーンで覆われているような気がします。後半の竜退治では、トールキンの『ホビットの冒険』を思い出しました。宝の山を守っている様子などそのまんまです。実際トールキンもこの作品を好んだようで、『ベーオウルフ』に関する論文も書いているそうです。

あとは物語そのものの面白さもさる事ながら、訳が非常に素晴らしいと思いました。重厚な文体でありながら、とても読みやすい。注釈や作品についての解説も読み応えのあるもので、いい本よんだな~という気にさせられました。

『ベーオウルフ』

ベーオウルフ 妖怪と竜と英雄の物語―サトクリフ・オリジナル〈7〉

ローズマリ・サトクリフ著:井辻朱美訳:原書房

実は読んだのはこちらが先。こちらは散文形式ですが、脇筋が削除されたり補完的な描写がある他は原作と全く同じ内容です。文字のサイズと字間が異様に大きいものの、お子様向けの文体というわけではなく、むしろ古語調を意識したいかめしい言い回しが多用されています。ちょっと読みづらかった気も。それでも1時間余りで読めてしまったのですけど、話は過不足なく書かれているので筋を知るのには充分だと思います。

『初版グリム童話集』

初版グリム童話集―ベスト・セレクション

図書館で借りてみました。改めて読むと案外新鮮。

グリム童話といえばお馴染みの話が多数ありますが、本書あとがきによると現在一般的に流布しているものは第七版で、その間子供向けとしてふさわしくない話を削除したり、加筆・修正が行われたそうです。で、この本には初版にしかない話を含めて30話余りが収録されています。

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強烈だったのが「子供たちが屠殺ごっこをした話」。兄弟がごっこ遊びをしていて、肉屋役のお兄さんが豚役の弟を・・・てな話なんですが、怖いと言うかなんと言うか。実際似たような事件でもあったのかしらん。

ところで、本書には結構な数の挿絵も収録されています。ほとんどが知らない絵描きさんでしたが、私の好きなギュスターヴ・ドレの挿絵なんかも載ってたりしてちょっとびっくり。ドレ以外の挿絵もなかなか魅力的で、楽しめると思います。

『ベスト・セレクション 初版グリム童話集』
吉原高志・吉原素子選訳
白水社

『妖精の女王』

同名の本を2種類。

妖精の女王〈1〉

『妖精の女王』

エドマンド・スペンサー著:和田勇一・福田昇八訳:ちくま文庫(全4巻)

昨年来少しずつ読んでいたのをようやく読了。作者のエドマンド・スペンサーはシェイクスピアとほぼ同世代の詩人で、英国はエリザベス女王の治世です。物語は大きく六つのエピソードに分かれ、それぞれ主人公となる騎士が任務を果たすべく冒険を繰り広げます。

「むかしむかし・・・」という体裁をとってはいますが、「妖精の女王」とはすなわちエリザベス女王の事です。また、「身分ある人々に道徳的訓育を施すこと」がこの詩の主要な目的であると作者自ら語っているだけあって、おべっかや教訓臭が少々鼻につく面はあるものの、純粋に物語として読んでも十分楽しめるものだと思います。竜退治あり、お姫様救出あり、魔女やら黒騎士やら、神さまだってぞろぞろお出ましになるよ~ってな具合。そして主人公の騎士は冒険の過程で幾多の試練を経て「徳」を身に付けていく・・・訳者解説によれば「ファミコンゲームの格好の素材となっている」そうです(笑

訳は大変読みやすいものだと思います。注釈も親切。突然知らない名前が登場して何のこっちゃ、なんて事はありませんでした。

『Illustrations and Ornamentation from THE FAERIE QUEENE』

Illustrations and Ornamentation from the Faerie Queen (Dover Pictorial Archive Series)

ウォルター・クレイン

こちらはウォルター・クレインによる挿絵集、いや独立したイラスト集と言った方がいいのかな。100点を超えるモノクロイラストが収録されています。本体を読む前に購入していたんですけど、少し眺めた程度でずっと本棚に眠っていたのでした。

改めて見るとこれが凄い凄い。一見しただけで、どの場面を描いたものかすぐわかる。膨大な登場人物を描き分け、画面全体を埋め尽くす描き込みに圧倒されます。装飾枠もそれぞれ違ったデザインになっているんですよ。しかも絵の内容とリンクするものだったりする。一体1枚あたりどれ位の時間で描いたんだろう・・・

『ロビン・フッド物語』

岩波新書。中世から現代に到る各時代のロビン・フッド像を考察、紹介したもの。流し読みだったんですが、大変魅力的なイラストが紹介されていたのでメモ。

ハワード・パイル(1853-1911)
『ノッティンガム州の高名なるロビン・フッドの愉快な冒険』

絵本チックな作品のようで、絵と装飾と物語(文字)が見事に融合した緻密なペン画。いずれ要チェック。

『ラファエル前派の夢』

図書館で借りてきて読みました。

ラファエル前派というと、19世紀中頃の英国における美術史上の一潮流で、ロセッティやミレイがこれに属する・・・程度の事は知っていたんですけど、要はその程度しか知らなかったわけです。

本書はラファエル前派同盟の結成のいきさつから後世に与えた影響に到るまで、主要な人物に焦点を当てながら論じています。焦点が切り替わる度に時系列が前後するので、読んでいる最中は少々解り難さもありますが、ひと通り読めばなるほどと理解出来る、といった感じです。・・・それでも説明出来る程には理解してませんけど。

ところで私はポインター、ウォーターハウスといった画家達がお気に入りなんですが、本書では全く、名前すら登場しません。彼らも広い意味ではラファエル前派に含まれるんだろうと考えてたんですけど、違うようですね。古典派?とか何とか。今度はその辺のところをあたってみようと思ってます。でも、この時代の英国の画家って「西洋美術史」という括りでは殆ど無視されているような。手頃そうな本をなかなか見かけないんですよね・・・

『ラファエル前派の夢』
ティモシー・ヒルトン著:岡田孝彦・篠田達美訳
白水社

『アーサー・ラッカム』

アーサー・ラッカム

図書館でそのまんまのタイトルを見付けたので早速借りてきました。各作品から抜粋した挿絵50点余りが収録されています。収録数が多いのは『ケンジントン・ガーデンのピーターパン』『不思議の国のアリス』『ニーベルンゲンの指輪』など。本自体のサイズがやや小さいものの印刷は綺麗で、美しいイラストを一枚一枚じっくり見ることが出来ます。また、巻末にラッカムの生涯についての解説があり、これを大変興味深く読みました。思えばラッカムの人となりや、挿絵画家として不動の地位を得るに至った過程については全然知らなかったんですよね。若い頃、仕事をしていた出版社にビアズリーが入って追い出される格好で出版社を移ったエピソードなど、思わず「へえ~」でした。他にも下積みの時代を経てあの画風を確立した事、晩年病床においてもペンを持ち続けた事などなど、さほど長い文章ではありませんが一読する価値はあると思います。

『アーサー・ラッカム』
大瀧啓裕監修・解説
河出書房新社

源氏物語

日本文学史に燦然と輝く金字塔、その現代語訳(与謝野晶子訳)を読了。正直読んでいて大変つらかったんですけど、今読まなかったら恐らく一生読まないだろうと思って。以下、感想的あらすじ。

  • 1.人妻を(略
  • 2.行きずりの女性を(略
  • 3.年端も行かぬ娘を(略
  • 4.1に戻る

・・・少なくとも間違ってはいない筈。

「今月のアマゾン」

てな感じで毎月何かしら買うようになってしまいました。 で、今回買った本。

『Idylls of the King』Alfred Tennyson

Idylls Of The King (Dover Giant Thrift Editions)

テニスンの『国王牧歌』。・・・英語です。日本語訳が出ていないっぽいのでやむを得ず、読みたかった章だけ読むつもりで。10ページ程読んでみましたが、物語の筋を知っている部分は何となく理解できるものの、そうでない箇所はちんぷんかんぷんです。いちいち辞書を引いてたら何べん日が暮れるかわからないので、わからない所はすっとばし。

Shakespeare's a Midsummer Night's Dream

『Shakespeare's A MIDSUMMER NICHT'S DREAM』

ラッカムが挿絵を描いているシェイクスピアの『真夏の夜の夢』。これも英語ですが、取り敢えずこちらは日本語訳で読んでるので最初っから読むつもり無し。挿絵をにやにやしながら眺めるのが目的です。ペンのみの白黒画も凄くイイ!

しかしまあ・・・やっぱり英語は出来た方がいいですね。

『機動戦士

ガンダム THE ORIGIN 』を何の気なしに読み始めました。うーん、面白い。ガンダムってこんなに面白い物語だったんだなあ、と。テレビで放映されていた当時はグフが格好いいとかゲルググは豚みたいな鼻だけどカッコいいとか、そんな見方しかしてなかたんですけど、こんなに面白いものをやってたんですねえ。安彦良和さんの絵も、実は今までそうと意識して見た事はほとんどなかったんですが、すごく好き。てか滅茶苦茶上手いですね・・・