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騎士物語

中世騎士物語

先日、トマス・マロリーの『アーサー王の死』を読み終えました。アーサーものの定番らしいので。大変面白かったのですけど、これ抄訳なんですよね。収録されている部分が面白いだけに、大幅にカットされているのが残念です。これまでアーサーものと言えばブルフィンチの『中世騎士物語』くらいしか読んだことがなくて、こちらは元より全体を要約したようなスタイルなので、当時も「相当カットされちゃってるんだろうな~」と思いながら読んでいたのですが、改めて再読してみるとむしろ非常によくまとめられているという印象を受けます。今現在ウェールズの物語「マギノビオン」を単行本で読んでいるのですけど、これも収録されていて、今更ながらとてもお得な本なんではないかと思う次第です。

  • 『アーサー王の死』トマス・マロリー ちくま文庫
  • 『中世騎士物語』ブルフィンチ 岩波文庫
  • 『マギノビオン』シャーロット・ゲスト 原書房

マビノギオン―ケルト神話物語 シャーロット・ゲスト版

『マギノビオン』の挿絵はアラン・リー氏。『指輪物語』のイラストも描いている方です。指輪物語の絵をみた時もいいなーと思ってたんですが、これは更にその上を行くと思います。

『みどりのゆび』

みどりのゆび

タイトルだけ聴くとなんだか薄気味悪いものを想像してしまいますが・・・(私だけ?)、フランスの童話です。友人が貸してくれたのを読んでみました。

主人公の男の子が指で触れた所は、どこでも草木や花でいっぱいになるというお話です。それで『みどりのゆび』。じめっとした感じが無くて、きらきら輝いているような、そんな印象を受けました。各章が短くてさくさく読めますし、挿絵もとても素敵なのがたくさん載っています。

『みどりのゆび』
モーリス・ドリュオン著 安東次男訳
岩波少年文庫

『イリアス』に続けて『オデュッセイア』を読了。 こちらは昔読んでいるのですが、全然覚えてなかった(^^; んー、個人的には『イリアス』の方が好き。

『イリアス』

イリアス〈上〉

ホメロスの『イリアス(岩波文庫)』を読了。トロイア戦争を題材にした、映画『トロイ』のベースとも言える壮大な叙事詩です。ちなみに映画の方はまだ観てません。でももうすぐDVD出ますね。多分買っちゃいます。

で『イリアス』、前から読もう読もうと思いつつ、なんだか重たい話のように思われて手を出せずにいたのですが(確か当時岩波文庫で出てたのは呉茂一氏の訳で、字が小さくて旧字が多かったので、そういう印象を受けた記憶があります。違ってたらゴメンナサイ)、いざ読んでみるとこれが面白いったら。特にゼウスをはじめとする神様達の、やたらと人間味溢れるやりとりが真にツボでした。『トロイ』には神様方は登場しないようですので、映画をご覧になった方でも・・・というよりむしろ、ご覧になった方なら一層楽しめるのではないかと。和訳についても行番号は付いていますが、散文調で書かれているため、普通の小説を読む感覚で読めてしまいます。

ただ登場人物・神々が異常に多いので、予備知識が全く無い状態で読むのはかなりつらいかもしれません。一応、巻末に登場人物索引も付いてはいましたが。私は読み終わってから気付きました。あう。

『イリアス』(全2巻)
松平千秋訳
岩波文庫