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『イギリス古事民俗誌』

イギリス古事民俗誌

原著は1865年に刊行されたもので、1年365日それぞれにつき、関連する古事・慣習を綴ったものだそうです。これはそのうち40余りの抄訳。懲罰用の水責め器具や弓術に関する叙述、ハロウィーンのリンゴ遊び('Bobbing for Apple'というようです)・・・今も変わらず伝わっているものから19世紀当時の様子がうかがわれるものまで、なかなか面白く読めました。

『イギリス古事民俗誌』
ロバート・チェインバーズ著:加藤憲市訳
大修館書店

金曜ロードショー

『ハウルの動く城』を一日遅れで観ました。観ていてだれる事がありませんし、絵、特に背景画などは本当に見とれてしまうくらい綺麗です。

・・・個人的には、もう一度だけでもいいので『未来少年コナン』や古い監督作品のような見事過ぎる締めを観てみたい。恐らく監督自身が今やそういうのを志向されていないとは思うのですけど。

カラス

近頃、周辺でカラスの数がやけに増えたような気がします。実家のマンションのそばには住みついてしまっているようで、屋上に何羽かとまってたり下を通る人にちょっかいを出したり。

私自身以前カラスに襲われた(ちょっと誇張)事があるんですが、後上空から音も無く降りてきてカツンと蹴りを入れ、ヒットアンドアウェイでサーッと逃げていくんです。小癪な奴らめ。

うちの辺りは住宅街で人口も増えてきてるんですけど、それでゴミなんかも増えてきた事と関係あるんでしょうかね。ゴミ集積所などよく荒らされています。昼間あの真っ黒い姿を見るとちょっとぎょっとしますし、あまり気分の良いものではありません。

新旧『冬のライオン』

ようやくオリジナルを観ましたので、以前観たリメイク版と併せて感想など。

時は12世紀、英国王ヘンリー二世と妻エレノア、王の愛人に三人の息子。彼等が王位やら家族・恋人の愛やらを巡って虚虚実実の駆け引きを繰り広げるところへフランス王までやって来て・・・という、もう何が何やらわからなくなりそうな展開を骨太の物語に仕立て上げた、凄い作品です。

『冬のライオン』(オリジナル)

1968年、アンソニー・ハーベイ監督。

映像は製作年相応のものながら、絵作り的にはさほど古さを感じさせません。広間の床にイグサが敷いてあったりとかなりのリアル志向。あまり美しくはないものの、実際こんな感じだったのではないかしらん。リメイク版との比較になりますが、テンポが非常に早い。リメイク版のテンポが悪いわけではないのですけど、割と各場面をねちっこく描いているため終盤ではちょっと食傷気味になってしまったのも事実。その点こちらは2時間余りに凝縮された、密度の濃い展開でした。

『THE LION IN WINTER 冬のライオン』

2003年、アンドレイ・コンチャロフスキー監督。

テレビ映画として作られたものらしく、前後編に分かれています。合わせて3時間余り。相当手を加えてあるものと思っていたんですが、内容的には完全に一緒でした。印象的な場面も台詞も、みんな同じ。ただ先に書いた通りねちっこく、人物間のやり取りや心の揺れをじっくりと描き出しています。セットは当然違います(笑)城の内装や服装などはこちらの方が好み。それとオリジナル同様、城内の階段が舞台としてとても効果的に使われており、こちらはより印象的だったと思います。

この作品は『レジェンド・オブ・サンダー』『キング・オブ・ファイヤー』とセットで販売されているようです。他の二作もとても面白く、オススメです。

『エクスカリバー 聖剣伝説』

原題は「MERLIN」。1998年、スティーヴ・バロン監督。

原題の通り、魔法使いマーリンが主人公のお話です。エクスカリバーは出るには出ますが、せいぜいが話のアクセント程度、アーサーも重要人物でこそあれ、あくまで脇役。半人半妖のマーリンが人間達に希望を託して云々・・・てな感じでしょうか。色々なエピソードを取り込み、全体としてはオリジナル色の強いストーリーです。

この作品、結構な豪華キャストらしいのですけど、映像的にはどうもB級臭いというか、「80年代の最先端映像」みたいな雰囲気があります。それはそれで決して嫌いじゃないんですけどね・・・でもドラゴンとか・・・とりあえず『LOR』などとは比べるべくもありません

お話的には好みが分かれそうな内容ですが、私は楽しめました。ラーンスロットのオチには笑ってしまいましたけれども。「ガラハッドかよ!」ご覧になれば解ると思います(笑 それからラストは割と好みでした。ただ最後の最後はちょっと余計だったかな。そのままでもいいじゃない、と。

『中世ヨーロッパの城の生活』

中世ヨーロッパの城の生活

中世ヨーロッパ、特に英国の城についての本。構造など外面的な部分よりは当時の人々にスポットを当て、平時の生活や戦時の行動の様子が今に残る文献の引用を交えて生き生きと描き出されています。城の支出の内訳から、鷹狩りのタカの訓練法、篭城時の水の確保などなど・・・あんまり詳しくて、面白いとは言いがたい叙述の続く箇所もあったりしますけれども、読み応えは十分です。

『中世ヨーロッパの城の生活』
ジョセフ・ギース、フランシス・ギース著:田中明子訳
講談社学術文庫

Amazonのアソシエイト・プログラムに登録してみました。過去の記事についても順次リンクを張っていこうと思っています。あまりうるさくならない程度に。

『リチャードを探して』

1996年、アル・パチーノ監督。主演も。

シェイクスピアの『リチャード三世』を映像化する、その過程を追ったドキュメンタリー・・・って事でいいのかな? シェイクスピアの面白さを解りやすく伝えるのが目的で、別途完成した「アル・パチーノによるリチャード三世」があるわけではないようです。多分。

とはいえ、断片的ながら実際に演じているシーンも多数あり、それぞれ衣装やセットも本格的なものです。これらの映像に素の(多分・・・)議論やインタビューを交えながら、『リチャード三世』なる作品を解きほぐしていくという仕組み。

えらくわかり辛い要約になってしまいましたが、このドキュメンタリー自体はとても解りやすいです。複雑な人間関係や展開を、ポイントを押さえて丁寧に解説してくれています。つい先日原作を読んだばかりでもあり、「ああ、こんな台詞もあったなあ」と大変面白く観る事が出来ました。逆にこれを観てから原作を読んでみるのもいいかもしれません。

『シルマリルの物語』

新版 シルマリルの物語

あまりの分厚さに読むのをためらっていたのですが、ようやく読了。

「指輪物語」より更にずっと昔、トールキンによる創世神話とでも言うべきもので、世界の始まりからエルフや人間の出現、「指輪」の舞台となる第三紀までの世の変遷がエピソード群の形で綿々と語られて行きます。

全体としてはとんでもなく壮大な物語でありながら、異常なほど緻密に設計されているのには、よくもまあこんなものを一人で・・・と殆ど呆れてしまいます。これ程までになると却って「出来過ぎ」とすら思えて来てしまう位。ほら、実際の神話や伝説だと「なんだそりゃ?」と思わずツッコミたくなるようなぶっ飛んだお話が結構あるじゃないですか。

エピソード単位でみると、もっぱらの主役はエルフ達で、そこに神々(ヴァラール)や人間達が絡んでゆくといった趣です。このエルフ達は若々しく活発で、「指輪」のエルフ達とは随分違ったイメージ、まさに「青春期のエルフたち(訳者あとがきより)」で、とても人間臭いドラマを繰り広げてくれます。数あるエピソードの中では「ベレンとルーシエンのこと」「トゥーリン・トゥランバールのこと」がとりわけ印象的でした。とても美しいお話と、悲しいお話。

一日に一章ずつのペースで読み進めたのですが、読み終えてしまうのがちょっともったいないように感じられた、そんな作品でした。本の分厚さで敬遠している方(?)は是非。

『新版 シルマリルの物語』
J.R.R.トールキン著:田中明子訳
評論社

Web拍手へのご返答

Web拍手でご質問をいただきましたので、そのご返答です。

個人的にご覧いただく分には、画像をダウンロードされてももちろん構いませんよ。穴の開くまででも眺めてやっていただければ本望です。

ちなみに前のサイトでDL用のファイルを置いていたのは素材の方ですね。おっしゃる画像ももちろんわかります(笑)ただ、こちらは再公開する予定はありませんので、悪しからずご了承くださいませ。

禁煙期間終了のお知らせ

今朝をもちまして禁煙期間は終了とさせていただきました。

・・・もう眠過ぎて駄目、無理。ふんっ。